
富士電機技報のご紹介

大容量無停電電源装置「UPS7500WX」 | 2021-S06 |
M田 一平 ・ 絹田 隆紘 ・ 久保寺 晋嗣 | 2021年10月18日 |
近年、北米やアジアを中心に建設が増大しているハイパースケールデータセンターでは、電力使用量が膨大となる。このため、停電などの電源異常時にも電力供給を継続する無停電電源装置(UPS)には、さらなる大容量化と省エネ化が求められている。
富士電機は、2018年度に北米市場の安全規格に適合する容量1,000kVAの「UPS7400WX」を発売した。今回、電力変換回路やUPSモジュールの並列制御技術などのプラットフォーム技術を基に、UPS7400WXの次世代機となる大容量無停電電源装置「UPS7500WX」を開発した。
「MONITOUCH X1 シリーズ」 | 2021-S05 |
松本 充弘 ・ 佐藤 好邦 | 2021年5月31日 |
富士電機のHMI(Human Machine Interface)製品である「MONITOUCH V9 シリーズ」(V9シリーズ)は、多くのお客さまに導入していただいており、主にFAシステムの現場で、PLC(Programmable Logic Controller)やセンサなどのさまざまなデバイスと接続して使われてきた。HMI市場は成熟期に入り、製品のコモディティ化が進んでいる。
このような中、富士電機は付加価値が高いHMIをお客さまに届けるため、V9シリーズが担ってきた生産現場のHMIとしての利用はもちろんのこと、現場のデータを可視化し、さらにMES(Manufacturing Execution System)やERP(Enterprise Resources Planning)、オフィスなどのITシステムと連携するハブとなる装置である、Windows 10 IoT Enterpriseを搭載した「MONUTOUCH X1 シリーズ」を開発した。
第2世代 SiC-SBD | 2021-S04 |
橋爪 悠一 ・ 内田 貴史 ・ 大瀬 直之 | 2021年4月9日 |
地球温暖化などの環境問題への対応や低炭素社会の実現に向けて、パワーエレクトロニクス機器のさらなる省エネルギー化が求められている。従来のシリコン(Si)を使用したパワー半導体デバイスは、材料物性に起因する理論的な特性限界に近づいている。富士電機では、Siに比べてバンドギャップが約3倍、絶縁破壊強度が約10倍と大きい炭化けい素(SiC)を用いたSiC-SBDを開発してきた。今回、第1世代に比べて特性および順サージ耐量を向上させた第2世代のSiC-SBDを開発した。
電鉄向け 3.3kV SiC ハイブリッドハイパワーモジュール | 2021-S03 |
関野 裕介 ・ 森谷 友博 | 2021年3月9日 |
近年、鉄道や太陽光発電、風力発電などのインフラ分野をはじめとしたさまざまな分野で、パワーエレクトロニクス装置の高出力化と小型化が求められている。そのため、電力変換装置に搭載されるパワー半導体モジュールは、さらなる低損失化と高パワー密度化が必要である。
富士電機は、さらなる低損失化を実現するために、最新の第7世代「Xシリーズ」Si-IGBTチップを搭載したIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、FWD(Free Wheeling Diode)にSiC(炭化けい素)半導体のSBD(Schottky Barrier Diode) チップを搭載した電鉄向け3.3kV SiCハイブリッドハイパワーモジュール(HPM:High Power Module)を開発した。
第7世代「Xシリーズ」 1,200V/250A RC-IGBTモジュール | 2021-S02 |
平田 朋也 ・ 山野 彰生 | 2021年2月19日 |
富士電機はこれまで、多くの技術革新によって、IGBTモジュールの小型化、低損失化および高信頼化を行い、電力変換装置の小型化や出力電流拡大による低コスト化および高性能化に貢献してきた。最新世代である第7世代「Xシリーズ」IGBTモジュールでは、低損失化・高信頼性化による高パワー密度化を実現した。
しかし、IGBTモジュールのさらなる小型化や出力電流の拡大を行おうとすると、IGBTモジュール内のIGBTおよびFWD(Free Wheeling Diode)チップのパワー密度が増大し、動作温度が上昇して信頼性低下の可能性が懸念される。高い信頼性を保ちながら、IGBTモジュールのさらなる高パワー密度化を行うために、Xシリーズの技術に加え、新たにRC-IGBT(Reverse-Condecting IGBT:逆導通IGBT)の技術を適用した、産業用XシリーズRC-IGBTモジュールを開発した。
ETC 車両検知器用着雪除去装置 | 2021-S01 |
長島 淳 ・ 久間 裕丈 ・ 高比良 功 | 2021年1月8日 |
ETC車両検知器は、ETC料金所レーンを構成する路側機器群の一つで、車両の通過を検知する役目を担う主要装置である。富士電機はETCシステムの黎明(れいめい)期から車両検知器を数多く納入しており、2019年現在の全国シェアは約40%を占める。
昨今の働き方改革や人手不足のため、高速道路各社は料金所の無人化対策を進めている。このような背景の下、ETC車両検知器についても省メンテナンス化が求められている。しかし、降雪地域では雪氷の付着を原因とした障害もあり、省力化を図る上で大きな課題となっていた。この課題を解決するため、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)のグループ会社である株式会社ネクスコ東日本エンジニアリングと共同で、ETC車両検知器用着雪除去装置を開発した。